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採用総括セミナー|23卒採用総括と24卒採用の展望【第二部】

出演者

松尾 敬信 様

日本電気株式会社
人材組織開発部 プロフェッショナル

松尾 敬信 様

2008年大学卒業後、サービス系企業へ入社。サービスの現場を経験し、数社経たのち2019年にNECへ。一貫して新卒採用の戦略設計と運用を担当し、NECでは技術系/事務系双方のチームをマネジメント。
 ジョブ型採用の導入や、部門別に定量的化された求める人材像を定義し、
 答え合わせのできる新卒採用を目指し取り組みを進める。

甘田 裕之 様

三井住友海上火災保険株式会社
人事部採用チーム 人事部人事チーム 課長
兼 採用チーム長

甘田 裕之 様

大学卒業後2006年に入社。入社後は東京、大阪にて12年間の営業部門にて、製薬メーカーや飲料メーカー等を担当。2018年より人事部にて新卒採用に従事、本年度より採用チーム長として、新卒採用と高度専門人財を中心としたキャリア採用の統括業務に従事。

家島 明彦 様

大阪大学 キャリアセンター
副センター長 准教授

家島 明彦 様

大阪大学にキャリアセンターを立ち上げ、
副センター長・准教授としてキャリア教育と就職支援に従事。専門は生涯発達心理学とキャリア教育学。公認心理師(国家資格)、キャリア・カウンセラー、日本キャリア教育学会常任理事、島根県ふるさと親善大使など様々な資格と肩書を持つ。大学のFD研修、高校のキャリア教育講演、自治体の市民講座、企業のコンサルなど幅広く活動している。海外視察経験多数で、世界のキャリア教育支援動向にも詳しい。

守島 利子 様

東京工業大学 学生支援センター
未来人材育成部門 特任教授 
キャリアアドバイザー

守島 利子 様

大学院(心理学)修了後、人事・教育分野のコンサルティング会社に入社。その後、短期大学の講師、公立大学の職員(キャリアカウンセラー)を経て、2010年から現職。修士学生を対象としたキャリアの授業を担当すると共に、全学の学生を対象としたキャリア相談を実施。他大学でも、キャリアガイダンス等で講演を行う。

司会 成瀬 仁美

株式会社ワークス・ジャパン

司会 成瀬 仁美

【第2部】
内定承諾後の辞退をどうやって減らすか

成瀬 成瀬
第2部の司会を務めさせていただきます、ワークス・ジャパンの成瀬と申します。第2部のテーマは、「企業と大学が語る24卒採用の展望」です。オンラインの利点を生かし、効率的に学生にアプローチできるようになったものの、いまだ残る課題は納得感を持った内定承諾です。23卒採用では、内定承諾後の辞退が例年以上に発生しました。インターンシップや早期選考をしても決めきれない学生にどう向き合うべきか、企業、大学、それぞれの立場からご意見を伺います。
 第2部のゲストをご紹介します。一人目は日本電気株式会社人材組織開発部プロフェッショナル・松尾敬信様です。松尾様は2008年大学を卒業後、数社を経て、2019年にNEC様へ入社されました。以降、一貫して新卒採用の戦略設計と運用担当され、NECでは技術系および事務系双方のチームをマネジメント。ジョブ型採用の導入や、部門別に定量化された求める人物像を定義し、答え合わせのできる新卒採用を目指していらっしゃいます。
 二人目は三井住友海上火災保険株式会社人事部採用チーム人事部人事チーム課長兼採用チーム長・甘田裕之様です。甘田様は大学卒業後、2006年に入社、東京・大阪にて12年間営業部門にて製薬メーカーや飲料メーカーをご担当、2018年より人事部にて新卒採用に従事され、本年度より採用チーム長として新卒採用と、高度専門人財を中心としたキャリア採用の統括業務に従事されていらっしゃいます。
 三人目は大阪大学キャリアセンター副センター長准教授・家島明彦様です。家島先生は、大阪大学にキャリアセンターを立ち上げ、キャリア教育と就職支援に従事されていらっしゃいます。ご専門は発達心理学とキャリア教育学です。海外視察も多く、世界のキャリア教育支援動向にも詳しい方です。
最後のご紹介は、東京工業大学学生支援センター未来人材育成部門特任教授キャリアアドバイザー・守島利子様です。守島様は大学院修了後、人事教育分野のコンサルティング会社にご入社、その後、短期大学の講師、公立大学のキャリアカウンセラーを経て2010年から現職でいらっしゃいます。修士学生を対象としたキャリアの授業を担当され、全学の学生を対象としたキャリア相談もされています。

23卒採用・24卒採用の注力点~企業に聞く

成瀬 成瀬
第2部では、トークテーマを三つ用意しました。セッション1は、企業の方々に「23卒採用の注力点および24卒の注力点」についてお話を伺います。ここで企業のゲストの方々の取り組みを紹介します。NEC様の新卒採用は、採用人数600名程度、職種は多岐に渡ります。特徴はインターンシップが全て複数日程です。“ジョブ型”インターンシップ職場体験型を5~10days、研究開発部門については大学院生を対象に、長期の有償型研究インターンシップとして1ヶ月です。認知度、ターゲット学生への訴求不足、文理共に承諾後の辞退が課題で、ジョブマッチングの強化に取り組むお考えです。
 続いて三井住友海上火災保険様の新卒採用の概要です。採用人数は200~300名程度、職種は総合ですが、コースが多岐に渡ります。学生人気の非常に高いインターンシップを用意されていて、5種類を夏・秋・冬とさまざまな時期に開催されています。また、インターンシップ参加者向けのフォローイベントも充実しています。課題感は学生自身がやりたいことが明確になっていない、業務内容の理解が浅い、例年に比べて辞退が少し多かったということでした。24卒採用の注力ポイントですが、いかに学生さんに対してリアルな社員の雰囲気、業務内容を伝えていくか、そのための現場の巻き込み方とお話されています。
まずNEC様、辞退が文理ともに少し出てしまったということですが、辞退者の調査とジョブマッチングについて教えてください。
松尾 松尾
内々定辞退者や選考途中で抜けてしまった学生さん計数百名の方に、任意の形で人事部が直接アンケートをとりました。選考の途中で志望度が下がった瞬間、面談の内容、面談員の態度などについて質問し、約200名の方から真剣な回答を得ました。ジョブマッチングですが、元々理系の開発職では、部門を事前に学生さんが選んだ上で面談して、内々定になった場合はその職種・部門を確約して配属していました。その流れを少し拡大していくようなイメージです。NECでは自分のキャリアは自分で作るキャリアオーナーシップの考え方が浸透しています。職種や活躍したい部門について考えた上で選考に臨んでいただきたいと考えています。
家島 家島
非常に良い取り組みですね。大阪大学では、今年度スチューデントライフサイクルマネジメントセンターという新しい組織を立ち上げました。入学前から卒業後までのデータを一元化して、在学中のパフォーマンス、卒業後の進路選択、社会人としての活躍について検証していこうと考えています。
成瀬 成瀬
守島先生、NEC様の研究開発部門のインターンシップは1カ月と長期です。この期間について、学生さんの目線からどうでしょうか。
守島 守島
インターンシップに対しての学生の考え方は二つあると思います。一つ目は自分が何をやりたいのか、世の中やその会社にどんな仕事があるのか、幅広く掴みたい。すると、長期ではなくて1~3日でいい。二つ目は会社の雰囲気を知りたいということ。そこは1~2週間、企業の中でどう感じるのかを体感することが大事になると思います。
成瀬 成瀬
続いて三井住友海上火災保険様。学生さんから人気の高いインターンシップを設けていて、コースも時期も多彩で、選択肢が多くあります。企画や運営において全社を巻き込みながら実施する方法について教えてください。
甘田 甘田
ポイントは二つあります。一つは学生の成長を意識したコンテンツだということ。当社は人の成長を全力で支援をしていく企業文化があります。二つ目は自主性を重んじるところです。去年からインターンシップのコンテンツに社員が社内副業の形で手を上げる制度を新設して、我々の企画をベースに現場感を採り入れて内容を充実させています。

23卒・24卒学生の状態~大学に聞く

成瀬 成瀬
次のテーマは「今の学生さんの状態」について。キャリアオーナーシップや成長をキーワードとする企業の姿勢は学生に届いているでしょうか。
家島 家島
参加した学生は、満足していると思います。インターンシップを教育の場にしていただくのは大事なことで、知識、スキル、態度の三つのうちどれかが、あるいは全部が身につく。3点のどこに重点を置くかで、内容も差別化されると思います。
守島 守島
今の若い人は向上心が強く、成長という言葉に敏感です。終身雇用は期待できず、世界情勢も不安定です。そんななかで技術の進歩に対応できるように、早く自分で力を付けていきたいという気持ちが強いと感じています。
成瀬 成瀬
「やりたいことの見つけ方」について、家島先生は、いろいろご指導されていると伺っていますが。
家島 家島
やりたいことを見つけるポイントは、WantとCanとCan’tの三つ。Wantはやりたいこと、Canはやれるかもしれないこと、Can’tはやりたくないというものです。全部最初に「や」が付くので三本の「や」。やりたいことが特にない学生は、Want探しがなかなか難しい。こういう人は、まずCan’t=やりたくないものを探すといい。Can’tを見つけたら、それ以外はCan=やってもいいです。Canならインターンシップも説明会も参加してみること。やらないと情報がなく、判断もできません。
成瀬 成瀬
企業側として、学生さんのやりたいこととのマッチングをどうしているのでしょうか。
松尾 松尾
弊社の内定者の中でインターンシップに参加した学生さん、選考に落ちた学生さん、ともに15~16%ぐらいでした。いろいろなインターンシップに参加しながら、自分にフィットするところを探していけばいい。我々は全てを詳らかに伝えていくことが大切です。
甘田 甘田
我々も情報提供したり、体験したりする場をなるべく多く提供したい。また、例えば理系素養を発揮したい場合、アクチュアリーやデータサイエンティストといった職種があり、専門の初期配属を確約するジョブ型のコースも既に多く設けています。

ターゲット人材を採りきるためには

成瀬 成瀬
トークセッションの三つ目のテーマ、「ターゲット人材を採り切るためには」に移ります。視聴者からNEC松尾様への質問です。「内定者に占めるインターンシップの参加者が低い状況下で、コストをかけてインターンシップを実施するモチベーションをどこに見出していますか」というご質問です。いかがでしょうか。
松尾 松尾
もともとインターンシップは教育を第1目的に置いていて、そこからの採用は考えていませんでした。ただ、学生さんから「インターンシップの後に何もないのですか」と聞かれ、インターンシップの履歴を本選考に残して、参照できる形に切り替えました。インターンシップからガツガツ採用したいという考えは今もありません。結果的に内定者に占める割合が15~16%ですが、学生さんが自分で考え自分でNECより他の会社が合うと判断したのなら、それはそれで良いことです。一方、インターンシップの選考に漏れた学生さんには、そこで終りではない、ということを伝えたいと思っています。
守島 守島
インターンシップに行かないと就職できないと思っている学生もいますし、1回駄目だったらもう駄目だと思っている学生もいます。そうではない、ということをしっかり伝えていただくことが大切ですね。
成瀬 成瀬
甘田様に「高度専門人財について、どのような専門性を持った人材を求めているのか」という質問が入っています。
甘田 甘田
当社は法務、データサイエンス、保険数理、運用部門など5区分の領域で、スペシャリスト社員という制度を新設しました。また、広報部門のスペシャリスト人材なども拡大していて、新卒でも素養のある方を募集するスペシフィックコースというコースを設け、初期配属はここで確約して、将来的にはこういう道を歩んで欲しいという期待を示しています。
成瀬 成瀬
大学側から企業へのご質問やご要望があればお願いします。
守島 守島
インターンシップの時期の問題ですが、学業との兼ね合いで、理系の修士はインターンシップの時期をもう少し後ろ倒しにできないでしょうか。
松尾 松尾
春休みに当たる2月などの時期も検討したいと思います。研究を通じてある程度自信をつけた後にお会いした方が、学生さんにとっても我々にとってもいいと感じています。
成瀬 成瀬
皆様から最後、一言ずつ頂戴したいと思います。
守島 守島
学生にとっても企業にとっても、そして私ども大学にとっても、どのような採用の仕方がいいのか、皆さんと一緒に考えていければと思います。
家島 家島
企業と大学が連携して学生を育てていくことが大切。インターンシップについては、改めて目的や時期、方法について検討していただければと思います。宣伝ですが、人事心理学研究会という研究集会を立ち上げました。人事担当者が抱える悩みを心理学の知見で解決支援したいというものです。ご興味のある方は、ご連絡いただければと思います。
甘田 甘田
大学と企業で学生を思う気持ちは変わりません。その方にいかにして活躍していただくかを共に描ければ、良い就職活動になる。そういう環境を作っていきたいと思います。
松尾 松尾
インターンシップの時期や目的、選考の時期など多く気付きがございました。企業全体で学生さんを育てていく気持ちで、一緒に取り組めたらいいなと思っています。
成瀬 成瀬
皆様ありがとうございました。これにて採用総括セミナーを終わらせていただきます。