調査資料

「産経新聞社×ワークス・ジャパン 25卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング」の調査結果を発表

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高まるジョブ型志向就活! 仕事の具体的訴求が学生を惹きつける!

 

産経新聞社と人事コンサルティングのワークス・ジャパンは、2025年3月卒業・修了予定の大学生、大学院生を対象に、就職希望先調査を実施した(有効回答数:2万2495票)。

文系総合では「総合商社」「総合デベロッパー」「損害保険・銀行」が、理系総合では「メーカー」「IT・ソフトウェア」が上位を占めた。就職活動の早期化の定着や配属後の仕事内容を重視する学生の志向などを背景に、インターンシッププログラムや社員を介したコミュニケーションの充実を通じて、仕事の具体的訴求を図った企業が支持を集めた。

 

【調査サマリ】
1. やりたい仕事に就けるかが企業選びの軸に

2. 文系総合では「総合商社」「デベロッパー」「損害保険・銀行」が上位

3. 理系総合では「メーカー」「IT・ソフトウェア」が上位

4. 様々な現場社員との交流でリアルな声を届けることが企業理解促進の鍵に

 

【調査概要】
2025年卒大学生就職人気企業ランキング

・調査対象
2025年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生 ※調査開始時点

・調査期間
2023年4月17日~11月30日

・調査方法
就職対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催の各種イベントでアンケート告知を行い、WEB上のアンケートフォームで回収。
就職を希望する企業ランキングは第1志望から第5志望までの選択方式で、第1志望には5ポイント、第2志望には4ポイント、第3志望には3ポイント、第4志望には2ポイント、第5志望には1ポイントを配分して集計。

・有効回答数
22,495票

 

やりたい仕事に就けるかが企業選びの軸に 採用側の活動にも変化が

新型コロナウイルス感染拡大のなかで大学へ入学した25卒学生。オンライン授業が主流となり、課外活動も積極的に行えない状況であったことから、選考で問われる自身のガクチカ不足を不安視する声が多い。
また昨今は、就社という概念が薄れ、やりたい仕事に就けるか、入社後に自身のスキルアップが図れるかを企業選びの軸に捉える学生も増えている。

企業側においては、そうした学生のニーズに応えるためにさらなる施策が求められるなか、ランキング上位の企業では、密度の濃い情報発信・提供や、配属の透明性を高める施策の導入など、様々な工夫がみられた。

 

【就職人気企業ランキング結果/文系総合】

▼21〜100位はこちら

 

文系総合では「総合商社」「デベロッパー」「損害保険」「銀行」が上位


文系総合ランキングで1位となったのは、伊藤忠商事。総合商社が上位を占める結果に。

文系総合ランキングで昨年から引き続き1位となったのは、伊藤忠商事。2位に住友商事、3位に三菱商事、4位に三井物産がランクインし、総合商社が上位を占める結果となった。
共通するのは、「業務の幅広さ」「グローバルビジネス」といった従来の総合商社のイメージに加えて、学生のキャリアイメージ醸成に寄り添ったインターンシッププログラムを実施していること。
また昨年から順位を上げた住友商事では、早期から対面の座談会などを開催し、支持を集めた。

 

総合デベロッパー、損害保険、銀行の人気も高い。

総合デベロッパーでは、7位に三井不動産、10位に三菱地所がランクイン。三井不動産は夏のインターンシップを、例年より1ヶ月早く実施。
ベンチャー共創コースやSDGsコースなど幅広いプログラムを通じて、街づくりという手段を通して社会問題を解決したり、暮らしの未来像を創造する仕事の魅力を印象づけた。

損害保険の人気も高い。5位の東京海上日動火災保険は、今夏のインターンシップで職場受入型のプログラムを実施。
「常識を覆す」「プロフェッショナルに挑む」をテーマに、各部門のプロフェッショナルである社員と交流できるプログラムで参加学生に仕事理解・企業理解を促した。
また6位に三井住友銀行、8位に三菱UFJ銀行がランクインするなど、例年通りメガバンクにも勢いがみられる。

そのほか、日本航空が昨年の25位から12位に大きくランクアップ。新型コロナウイルスの収束と観光需要の回復から、航空業界への関心も高まっている。

 

 

【就職人気企業ランキング結果/理系総合】

▼21〜100位はこちら

 

理系総合では「メーカー」「IT・ソフトウェア」が上位


多様なインターンシップ・イベントを開催し、リアルを多角的に伝えている企業に軍配が上がった。

理系総合では、昨年のランキングから1位と2位が入れ替わりをみせた。

トップに立ったソニーグループは、2~4週間の長期職場密着型から、最新のビジネスやテクノロジーを体感できる1day型など、バラエティに富んだインターンシップで、学生にアピール。
2位のNTTデータでは「未来の仕組みをITでつくる」をテーマに、数百名の学生を対象にしたアイデアソンを開催するとともに、「キャリアアップ」「育児」など多様なテーマでイベントを行った。

 

DXや先進的な取り組みをしている企業、積極的に現場社員とのコミュニケーションの機会を提供している企業の人気も高い。

前述の2社のほかにも、トヨタ自動車や富士フイルム、富士通、日立製作所など、DXや最新のテクノロジーを通してものづくりに取り組む企業が支持を集めている。

また11位、12位には伊藤忠商事、三菱商事の総合商社がランクイン。従来文系を多く採用していた企業も、積極的に理系採用を進めており、業種業界を問わず理系学生のニーズが高まっていることがうかがえる。

今回の調査では、現場社員とのコミュニケーションの場を積極的に提供する企業が多かった。さまざまな職種や年代の社員の生の声は、説明会やWebサイトよりもリアルな情報を与えられる。企業にとっては自社のさらなる魅力発信につながり、学生にとっては企業や仕事への理解が深まって入社後のギャップ軽減につながるというわけだ。オンラインから対面へコミュニケーションの場が戻りつつある昨今、学生のニーズの変化にも対応しながら、幅広い施策が求められるだろう。

▼理系専攻別・大学別・業界別ランキングはこちら

 

 

【総括】

高まるジョブ型志向就活。仕事の具体的訴求が学生を惹きつける。

5つのカテゴリー(文系総合、理系総合、理系専攻別、大学別、業界別)で実施した就職先希望調査で人気を集めたのは、より解像度高く入社後の仕事内容・キャリアを伝える工夫をしている企業だった。文系では、「総合商社」をはじめ、「生命・損害保険」、「銀行・証券」。理系総合、また理系専攻別においても「メーカー」、「IT・ソフトウェア」などが多くの学生から支持を集めた。

学生の企業選定の軸として「自分のやりたい仕事ができるか」が重要になっているなか、的確な情報を詳しく伝える工夫を行なっている企業が人気の結果となった。