人事戦略
オンライン

アクセンチュアにおける、オンライン採用でのハイタッチコミュニケーション

出演者

髙畑 早希 様

アクセンチュア株式会社 人事部 新卒採用統括

髙畑 早希 様

楠田 祐 様

HRエグゼクティブコンソーシアム 代表

楠田 祐 様

成瀬 仁美

株式会社ワークス・ジャパン

成瀬 仁美

アクセンチュアの人事的取り組み

高畑 高畑
まずアクセンチュアのパーパスは「テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する」です。創業以来ずっとITを軸にビジネスを展開してきた会社ですが、ここで重視されているのが、「テクノロジーと『人間の創意工夫』をかけ合わせて価値を見出していく」という、かなりヒューマンセントリックというか、人間味に重きを置くんだっていう意思が強く反映されているパーパスになっています。

ここから少し人事的な話に移っていきますが、社員数の伸びのグラフを見ていただくと、2015年くらいからかなり社員数を増やしてきています。これは、ビジネスも同じように拡大をしてきていて、7期連続で2ケタ成長ということで、今年もコロナの影響もありながらも、余裕の2ケタ成長を達成する見込みということになっているので、ビジネスの拡大にあわせて、人材も増やしてきているというかたちになっています。
【図1入る】
高畑 高畑
これは我々採用チームが、たくさん採用活動をしていることに加えて、社内の離職率を急激に低下させたというのもあり、その両輪で実現してきた数字になっています。その裏側にある活動が、働き方改革ですね。社内では「Project PRIDE」というふうに呼んでいて、全社員がプロジェクトメンバーですということで、全社員で取り組んでいる活動になります。2015年からこの取り組みをやっているので、かなり長い期間になっていますけれども、フェーズ1からスタートして今フェーズ3で、社内的には3期目に入っているかたちになります。具体的な取り組みは、フェーズ1の場合は非常にベーシックな話でマナーを守りましょう、挨拶をしましょう、定時後に会議は設定しないようにしましょうみたいなところをベースに実施をしていました。今はかなり目線があがって、もっとコラボレイティブに生産性をあげていくためには、どうしたらいいのかというところに主眼を置いて活動しています。こういった取り組みを以て、かなり女性比率もあがってきたり、残業時間が減ったり、離職率が低下してきたりとかということで、非常に成果が出ている活動になっています。
【図2入る】
高畑 高畑
社外からも高く評価していただいていまして、我々としては、「日経WOMAN」の女性が活躍する会社第1位に選んでいただきました。いろいろな社員に活躍してもらいたいなと思っているところなので、今後も「Project PRIDE」という取り組みでもっと働きやすい会社にしていきたいと思います。

続いて、22年卒の採用についても少しご紹介いたします。我々は非常に多くの人数を採用させていただいております。職種数は9職種、来年23年卒に向けてはもう少し増やそうかなと思っています。戦略コンサルタントからデザイン系の職種まで、非常に幅広く色々な職種で採用しています。
高畑 高畑
続いて年間のスケジュールですが、図の通りとなっております。
これらに並行して、フォローの活動もずっと息長くやっていまして、インターンの学生さんに対しては、サポーター社員ということで、インターンシップ各グループ5人に対して1人社員をあてていますので、その社員が入社するまでずっと継続的にフォローをしていきます。リクルーターの活動も毎年9月ぐらいから始めていますので、リクルーターのフォローもしながら、通常の選考で内々定が出始めるような時期になってくると、メンターと呼ばれるような社員も募集し始めますので、色々な方向からフォローをしているというかたちになっています。
高畑 高畑
我々アクセンチュアにおいてはビジネスが非常に堅調で、とにかく人を採らなければビジネスが成り立たないという会社なので、そういう意味で採用を加速させながら、かつコロナの対応をしていかなければならず、守りと攻めと両方やってきたっていうような22年卒だったなと思います。その中で22年卒採用活動におけるポイントは3つでした。一つ目は、積極採用ということで、ボリュームを増やすということが非常に大きなチャレンジで、やはりここについてもコロナの影響がどこにどういうふうに出てくるかわからないという状況下でしたので、とにかく経営陣と非常に頻繁にコミュニケーションをとって、採用のプランを調整しながら進めてきました。2つ目は、要件の多様化と細分化です。非常に多くの職種があるということに加えて、実は裏では非常に細かくプロセスをわけて運用していておそらくかぞえると数十パターンぐらいで、それぞれの学生にあわせるようなかたちで、プロセスを用意しています。その運用をどうスムーズにやっていくかというのも、非常に大きな課題でした。2つ目に含まれる「IIT」と「日本語Non-native」ですけれども、インド工科大学からの採用や英語選考がそれにあたります。急ぎでそういった人材を採りたいという要望がありましたので、今期から立ち上げをしました。最後3つ目は、コロナ対応ということで、21年卒は突貫工事でとにかく急ぐことを最優先にしましたが、やはり22年卒になって、洗練されたプロセスにしたいということで、そこにもかなり力を割いたというような一年でした。
高畑 高畑
今日のテーマ、ハイタッチですが、弊社の場合は「Human-touch」という言い方をすることもありますが、具体的にどんなことをやってきたかについても、少しご紹介できればと思います。
我々の学生とのコミュニケーション方針は、とにかく社員のコミュニケーションと同じ哲学で、この3つで設計しています。
高畑 高畑
まず一つ目、多方面からのアプローチですけれども、学生が就職活動を進めるにあたって、会社側から提供しているのは、左上の広報部から右下の社員まで、色々な角度からの情報かと思います。この中で弊社が採用活動として関わってもらっているのが、リクルーターとインターンのサポーターとメンターです。我々が意識しているのは、みんな同じことを言っていると、ただ接点が増えるだけで、情報に厚みが出ないので、それぞれ違う立場から話をしてもらっています。メンターは相談役になるようなかたちでほぼ学生寄りで、インターンサポーターは、中立な立場でキャリアのカウンセリングをしていくかたちです。リクルーターはその中間にあたりまして、彼らはKPIを追っていて、採用するというモチベーションが強くある人達なので、ある程度我々からの情報のインプットを受けて、学生に対しての情報発信をしていく力が強い人たちになります。なので、社員の役割によって、だいぶ話す角度が変わっています。一番下の「社員」については、社員一人ひとりがプライベートの関係性において、学生とどのようなコミュニケーションをとるかというのは、会社としては管理しにくい部分だと思いますが、ここに効いてくるのが先ほどの「Project PRIDE」です。やはり社員一人ひとりが働きやすいとか働きがいがある環境をつくるということが、社員からのコミュニケーションが採用活動のプラスに繋がっているかなと思います。
高畑 高畑
二つ目がコンテンツのオンデマンド化。とにかく我々のコミュニケーションは学生に押し付けるというよりは、学生が必要であろう情報を整理して用意しておくという方針にしています。これは入社してからも同じで、基本的に社内コミュニケーションっていうのは、プッシュ型からプル型で、会社側が情報を整理して渡してあげるということをやめました。ただし、ものすごい量の情報が整理されていて、社員一人ひとりが今何が必要なのかを考えて、自分で取りに行くという仕組みです。なので採用活動においても同じで、様々なコンテンツを用意して、必要な学生が必要な時にとりにいくという仕組みになっています。
高畑 高畑
三つ目のポイントの学生との対話。これも社員と同様に、やはり声をちゃんと受け取って、ちゃんとアジャイルに透明性高く答えていくということを、学生に対してもやっています。そのため、かなりの頻度でアンケートも実施していますし、長期的にコミュニケーションをとっているインターンやリクルーターのサポーターから情報をピックアップして我々に連携していただき、あとはマーケットデータを組み合わせながら、我々としてどんなことをしていくべきなのかということを考えて、随時ニュースレターに反映したり、その時に、こういう声があったよということを、きちんと学生に対してオープンにするというのが、アクセンチュア流かなと思います。
なので、自分の声がどういうふうに反映されているのかとか、自分以外の学生がどういうことを考えているのかということも、わかるような状態にするというのがポイントの一つかなと思っています。

執行役員も学生に向き合うコラボレーションがアクセンチュア式

成瀬 成瀬
学生さんとの向き合い方というところで、社員と同じ哲学でいく、というのが冒頭にあり、だからこういう取り組みなのだというのが非常に腑に落ちました。22卒採用はフルオンライン。主要な施策として、インターンシップとリクルーター活動というのをいただいております。
22採用を振り返られて、21卒と22卒を比較した時に、何かご苦労された点はございましたか?
高畑 高畑
21卒以前と比べると、より一層先が見えなかったというのが、難しかったポイントかなと思っております。おそらく学生側もそうだったのではないかなと、お互いに手探りでやっていた印象だったのではと思います。
実際面接しながら、22卒の学生たちには今後の働き方ってどうなるの?とか、働くイメージがわきにくいととか、非常に不安があったんだろうなあという印象です。リモート環境下で、働くイメージをつけてもらうというのは非常に難しかったと思っています。それは会社として、これからの働き方がどう進化していく、させていくんだっていう、そういうことを併せて経営層から話してもらうようにしていました。
楠田 楠田
採用と育成を何度も続けていくと、これまでの先輩社員たちと同じくらい、それ以上に育ってくれればいいなというふうに思いますよね。そこに不安感はありますか?
高畑 高畑
はい。
楠田 楠田
でも、信じて、みんなと一緒にコラボレーションしながらやるしかない。そこがアクセンチュア風なオンボーディングのカルチャーですね。
やっぱり心を寄せるというか、寄せてもらっているという感覚だけはちゃんと伝わるように、心がちゃんと伝わるコミュニケーションの工夫とか、そういった非常に細かい連携まで、今なされるようになっています。コミュニケーションの頻度という意味でも、執行役員クラスがマンスリーで全社ミーティングを開き、リアルタイムで社員からの質問に答えるというような取り組みも行っています。
楠田 楠田
心を寄せる。それは、テクノロジーと人間と両方、ハイブリッドでやるんだというところに、落ちますね。
御社は執行役員の方もかなりお忙しいと思いますが、そういう時間をとってくれるのですね。サポーターとかメンターはKPIがないのに、自分の仕事やプロジェクトもありながら、いつやるのかという話もありますよね。でももしかしたら働き方改革を、コロナ以前からやってきて、柔軟な働き方を認めているからこそできるのではないでしょうか。
高畑 高畑
やはり働き方の柔軟性というのは大きいと思います。社員一人ひとりの裁量で、どんなふうに働くのかということを基本的に自分で決めてもらいますので、結果的に社員が自立しています。
成瀬 成瀬
社員を巻き込むということですけれども、先ほど22卒採用の中で、積極採用のテーマの中で、最新のForecastに基づき、経営とかなり細かくコミュニケーションをとりながらフレキシブルに対応をされたと伺い、経営と人事部のコミュニケーションが、非常に密でいらっしゃるという印象を持ちました。経営と人事本部、そこの距離の近さやコミュニケーションはどのような感じなのでしょうか。
高畑 高畑
彼らは彼らで私たちを人事のプロとして、すごく認めてくれていますし、私たちは私たちで、彼らの経営能力を信頼しておりますので、結構無理難題を言われることは多いですが、それでも一緒にやっていこうと。常に経営側と我々人事側にそういう信頼関係があるのが、アクセンチュアの強みだと思います。コミュニケーションの頻度も非常に高く、私たちも、執行責任者とウイークリーでミーティングをしますので、採用だけではなく、例えば組織変更のあと、社員がどんな悩みを抱えているとか、コロナ禍で新入社員がどんなふうに悩んでいるとか、そういったことも週1で議論をして、じゃあ経営としてはこういうアクションをしようという話をしていたりします。

【「ハイタッチなコミュニケーション」の具体的な取組】

成瀬 成瀬
先ほど役割を分けることをポイントにされているというお話でしたので、どんな人たちが関わっているのかという部分をお答えいただきたいと思います。シニア兼マネージャークラスの人たちまで(学生のサポートに)関わるということについて、状態にあわせて、フレキシブルに対応されているかと思うので、人事部のほうから、必ず何回やってくださいという指示はおそらく無いだろうなと思いますが、どういう学生に対してどの様なコミュニケーションをとっていらっしゃるのか。大切にしているところなど、教えていただけますか。
高畑 高畑
まさに、週1でとか月1でといった指示は一切しておりませんので、その学生のステータスに応じて、彼らに任せているというかたちですが、我々から社員に対してお願いをさせてもらっているのは、やはり不安を抱えている学生に対してですね。あとはアクセンチュアのことを正しく理解したうえで判断してもらいたいと思っているので、まずはアクセンチュアの社風やビジネスを、どれだけ理解しているかというのをきちんと確認してくださいというお願いをしています。ただ、学生によっては、一切社員とのコミュニケーションを求めない、いらないですという学生もいらっしゃいます。ご自身の人脈の中で、必要な情報をきちんと入手して、働くイメージをちゃんとつくって入ってくるという方もいるので、その方には無理に工数をあてる必要はないと思っています。
楠田 楠田
そこも自主性に任せている。
高畑 高畑
意外と多いです。一方で、一緒に話をしながら理解を深めていくというタイプの学生さんもいらっしゃいます。
楠田 楠田
その価値観をきちんと受け入れているのが、価値観ダイバーシティですね。御社はパーソナライズしていますね。
成瀬 成瀬
パーソナライズっていうお話が出ましたが、そこを支えるためには、一人の学生が具体的にどんな悩みを抱えていて、誰がいつ面談して、こういうふうに状態が変わっていったとかいうことを見える化するということは必要なのかなと考えています。そこを支える管理方法というか、システムの活用も教えていただけますか。
高畑 高畑
採用に関わるメンバーはみんな同じデータベースにアクセスをしてもらっています。情報セキュリティの問題があるので、権限は最低限に絞ってはいますけれども、その特定の学生に対して、リクルーター、インターンサポーター、メンター、人事とついているわけですが、それぞれいつどんなコミュニケーションをしたかを、全てそこに貯めていってもらうようにしていますので、自分が明日会う学生は、その前日にリクルーターが何を話したのかとか、人事にどういう問合わせをしているとか、っていうことを把握したうえで、会ってもらうようにしています。
成瀬 成瀬
御社の採用活動のポイントとして、心を伝えるという非常に情熱的な言葉をいただいたと思いますが、オンラインの中で、人間味のあるコミュニケーションというのは、具体的にどんな意識、工夫をされていらっしゃいますか。
高畑 高畑
これも色々なアプローチをとっています。頻度を高める、あとはオンラインでのコミュニケーションもあれば、メールでのコミュニケーションもあれば、結構頻繁にオンラインランチ会などを開催しています。部署によって色んな活動をしているのですが、えらい人がずっとオンラインの会議部屋に、待機部屋にいて、いつでも出たり入ったりしていいよと。あとは「ななめ会」とかいってですね。部署を横断して、違う人と話すとか、あとは「シャッフル会」みたいなかんじで。Teamsのリンクが送られてきて、入ると全然違う人がいて。
成瀬 成瀬
シャッフルとかななめとかの企画は、人事部の方々が思いついて行われるものなんですか。
高畑 高畑
これはもう完全に社員発信でやるのです。トップダウンでやる部分も当然あるんですけれども、「Project PRIDE」も今は民主化アプローチという言い方をしておりますが、社員一人ひとりがちゃんと考えて、自分が不安だとか働きにくいとか、学生さんも同じですよね。だから新入社員も、こういう企画をやりたいですって自分から手を挙げていいよと言われて、全新入社員が入っているTeamsのグループに自分で企画をアップしています。

カルチャーを伝える取り組みを行う風土と体制作りは?

成瀬 成瀬
今充分素敵な取り組みをおうかがいしたんですけれども、そこのベースとなるのが、アクセンチュアさんのカルチャーなのかなと思っております。トークセッション3が取り組みを行う風土と体制作りについてです。
楠田 楠田
カルチャーってやっぱり目に見えにくいので、話を聞かないといけない。ただし、社員の人たちは、そのカルチャーにどっぷりつかっているので、居心地のいい人はずっとそこにいるんだろうし、居心地の悪い人は卒業していくんだろうけれども、それはそれでいいと思いますね。
成瀬 成瀬
学生の声を聞いていますと、そこのカルチャーにあたる部分を選択の基準として非常に大切にしていらっしゃる学生が多い様です。アクセンチュアさんの社風、カルチャーの伝達において採用活動で工夫されている、学生に対して意識されていることはございますか?
高畑 高畑
やはり基本的には肌で感じてほしいっていうのが第一ではあるので、そうしてもらえるように、意識をしてコンテンツづくりをしています。
成瀬 成瀬
日常の社員の取り組みがきちんと見える化されていて、レコグナイズされるっていうことなのかなあというふうに捉えさせていただいたのですけれども、そこもカルチャーですよね。
高畑 高畑
インターンシップのサポーターをやる社員は、社内でもすごく有名ですし、名誉なことなのです。社員一人ひとりもそういった採用活動に関わることによって、成長してもらえるようにするっていうのも、我々の一つの役割ですね。学生だけじゃなくて社員も採用活動に関わって成長できるっていう。
楠田 楠田
みんないいスパイラルになっていますね。

23卒は攻め一色&「刈り取り型からナーチャリングへの移行」がキー

成瀬 成瀬
最後のテーマに移らせていただきたいと思います。一気に目の前の話になりますけど、今23卒採用に対して、何をされていらっしゃるかということと、今後出てくるであろう課題に対してご用意されていらっしゃることをご共有いただきたいと思います。
高畑 高畑
ありがとうございます。攻め一色の23卒採用になるかなと思っています。まずはポストコロナの採用活動の在り方をかなり追究していくタイミングかと思います。今は完全にフルオンラインでやっていますが、ハイブリッド型に完全シフトしていき、それぞれのいい所どりを、どう着地させていくか、落としどころを見つけていく。海外の学生とか、地方の学生にとっては、フルオンラインのメリットを大いに享受されている部分もありますので、そこは個別化しながら、どう現実的なデリバリーをしていくのか、ニューノーマルな採用をこれから固めていくというところが一つです。あともう一つは、やはりダイバーシティが大きなテーマになると思っています。より一層人材要件を細分化していくかたちになるので、ダイバーシティをどう受け入れられる選考プロセスにしていくかというところが非常に大きなポイントになっていくと思います。最後にあるのが、いわゆる刈り取り型の採用から、ナーチャリング型の採用への切り替えっていうのが、今期大きく進めたいところだと思っています。というのは、これまでって、できあがった人材を採りに行くというイメージが強かったと思いますが、やはり我々も一緒に育成していくっていうところにまで、関与していく必要があるのかなと思っているので、これからの時代に必要とされるような人材の育成にもっと私たち側が歩み寄っていき、一緒に育成していく、そういった方に入ってきていただく。
楠田 楠田
例えばインターンシップを長期にやるとかですか?
高畑 高畑
とも限らず、インターンシップはインターンシップで一つのナーチャリングだと思いますが、そんなに大規模にできるわけでもない施策なので。アクセンチュアは刈り取りをやるっていうよりも、やはり他の企業さまだったり、学校法人の方だったりとかとのコラボレーションをと思っています。
楠田 楠田
まさに23は、オンラインとアナログのハイブリッド。これがまさにアクセンチュアさんのパーパスである「テクノロジーと人間の創意工夫」を表していますね。
成瀬 成瀬
23卒の施策についてのキーワードは「攻め一色」、より一層の「ダイバーシティの推進」、「刈り取りからナーチャリングへの移行」の3つですね。「刈り取りからナーチャリング」っていうところにすごくアクセンチュアさんのカルチャーを感じたのですが、おそらく社会と大学の接続を担われるんだと思っております。人事が彼らのほうに赴いて、一緒に出口のところを大学と支援していく。ただそこで、その学生が入ってくれるかどうかわからないと、どうしても思ってしまいますが、そうではなくいずれ一緒に働くかもしれない社会にとってマーケタブルな人材に、アクセンチュアさんが育てていくということなのかなと感じました。
これからの時代に必要なマーケタブルな人材、例えば、主体性、チャレンジ等そういう思考もありますが、どんな人が今後社会に求められていくと考えていますか。
高畑 高畑
やはり重要なのは、コラボレーションを通じて、どれくらい価値創出できるかが、すごく重要だと思っています。アクセンチュアの中も非常に多様な人材が増えてきて、そういった人たちと一緒にコラボレーションして、一つのプロジェクトをやっていますが、日本全体を考えても、一社で勝つっていうよりは、全体で勝つっていうことも考えていきたいと言うのが、アクセンチュアとしての考え方です。味方か敵か、自分の会社の人なのかそうじゃない人なのかとかではなく、その枠組みを超えて、一緒に成長していく、価値を創出していく。そういう考え方がすごく重要だと思っているので、頭柔らかく、色々な人と仕事をしたい、それが楽しいというような感じ方をしてくれる学生さんは非常に魅力的だなと思っています。
楠田 楠田
人生100年時代になるので、今みたいなことをやっていくことによって、社会全体が見える人になるということが一つありますね。高畑さんから見て、コラボレーションが苦手な人ってどういう人ですか?
高畑 高畑
変化をすごく怖がる方ですかね。自分の意見が受け入れられないのではないかということにすごく恐怖心が強かったりすると、コラボレーションが難しいのかなと思いますね。
成瀬 成瀬
先ほど、多方面からのアプローチということで学生さんを取り巻いて360度というお話がありましたけど、今の時点で、そのステークホルダーの中にある、先生とか大学とどういうふうにコミュニケーションをとっていこうとか、イメージされているプランはありますか。
高畑 高畑
いくつかの大学の皆さまとは始めさせていただいております。それはキャリアセンターさんや学長さんもございますし、ビジネス側を巻き込んで、産学協同といったことも構想していたりもします。
ビジネスの領域が広いので、様々な分野の先生方とコラボレーションもしやすいと思いますし、いわゆる社会貢献活動の中では、小学生・中学生を含めて、お金の使い方とか、お小遣いの管理とか、キャリアの考え方みたいなところを、既にやっていたりはするんですけれども、そこの規模を大きくしていくとか、型を作って、それを展開していくとか、そういったことは比較的得意な会社ではあるので、ぜひアクセンチュアの外にまで、展開していけるといいなと思っています。
成瀬 成瀬
本日はありがとうございました。