調査資料

次世代リーダー発掘・育成に課題が5割|「人的資本経営調査」

株式会社日本経済新聞社教育事業ユニットと人事コンサルティングの株式会社ワークス・ジャパンは、
2024年2月、東証プライム上場企業、または従業員数1000名以上の企業の役職者を対象に「人的資本経営」の調査結果をまとめましたのでご報告いたします。

テクノロジーの目覚ましい進化を背景に、事業ポートフォリオを転換する動きが加速しています。
企業が持続的な成長を遂げていくために、人材を資本としてとらえ、一人当たりの生産性を向上する「人的資本経営」の実践が不可欠となっています。
人的資本経営に対する関心が高まる一方、各社の取り組み状況や課題については、可視化し切れていない状況にあります。
今回の調査結果を、産業界の人材育成、組織開発、人材採用などの支援に生かしていきたいと考えています。

 

※詳細は本ページ下部<2024.2|人的資本経営調査結果レポート>よりダウンロードいただけます。

 

【調査概要】

・調査対象
従業員数1,000名以上、または東京証券取引所プライム上場企業に勤めている人事部門の役職者および役員の方
・調査期間
2023年12月11日~2023年12月22日
・調査方法
インターネット調査
・回答数
374名

 

◆TOPIX


4割弱が「効果測定」に悩み

今回の調査では、人的資本経営推進のため何らかの体制を作ったり議論したりしている企業が、全体の82.1%。大半が何らかの対応を進めている。
体制整備や社内での議論の取り組み状況については、従業員数1万人以上の企業が相対的に進んでおり、1万人未満の企業との違いが出た。

各社が取り組みを急ぐなかで、悩みや課題としては、「人的資本経営への投資対効果の測定が困難」「経営戦略を実現する人材の育成が困難」の2項目がともに4割弱を占め、上位に並んだ。
効果測定をどうとらえるかは、まさに人的資本経営の課題を象徴する事例といえそうである。

後継者の育成計画を社外公表、8.8%にとどまる

さらに、人的資本経営の進捗の度合いを具体的に調査。
As isとTo beのギャップを把握し、人材ポートフォリオを作成、経営戦略や人材戦略に活用しているのは、全体の11.5%。
ここまで実行している企業は産業界でもひとにぎりであり、これからという企業が大半を占めている。

社外に情報開示できている項目についても質問。
コンプライアンス・倫理、多様性については、ともに6割を超す企業が開示済み。
これに対して、後継者育成計画を開示できているのは8.8%にとどまった。

社員のエンゲージメントに力点

今後、力を入れていきたい分野を聞いたところ、「社員のエンゲージメント」「社員の育成」をあげる企業がともに5割を超え、関心の高さがわかる。
エンゲージメントをどう定義し、どう実践していけばよいのか。まだ迷っているという企業が多い印象。
「エンゲージメント」が人的資本経営を進めるなかで、キーワードになっていることは確かである。


教育・育成に関してどのような課題があるかについては、「次世代リーダーの発掘・育成」が5割と最も回答が多く、それに「マネジメント層育成」が続く。
この2項目は、人的資本経営という言葉を持ち出すまでもなく、近年の産業界に共通する課題となっている。

研修費用、「増やす」過半数

2023年度の研修費用について、56.4%が前年度より増やすと回答。半面、減らすは2.9%とわずかであった。
各社の統合報告書の記載でも、研修の実額に加えて、増加率の大きさを強調する例がいくつもありました。

人材戦略に対して変化があったものについて、目を引いたのが「注力すべき階層の変更」という回答が、全体の3分の1あったこと。
ここからも企業が経営人材、次世代リーダーの発掘と育成の比重を高めようとしていることが伺える。

リスキリング、5割弱が注目

採用についても質問。外部からの採用で人材を充足できているかどうか聞いたところ、従業員数の規模が大きな企業の方が、充足できている割合は高まっている。
しかし、企業ブランドだけで採用できる時代ではなくなっており、人を引き付ける企業ほど、経営革新に力を入れていることが評価されているとみるべきである。

外部からの採用で新たな取り組みとしては、リファラル採用、ダイレクトリクルーティングを実施、検討している企業がそれぞれ4割前後にのぼっている。
一方で、社内の人材を活用するために、新しい登用制度として議論しているものは、リスキリング、配置戦略の見直しの2項目をあげた企業がともに5割弱を占めた。





【最後に】


以上の結果から、人的資本経営への取り組みに知恵を絞ろうとしているものの、なお道半ばの企業が多いことが判明しました。
調査に協力いただいた企業の方々に感謝を申し上げます。これからも、人的資本経営への取り組みについて情報をお伝えしていきたいと考えています。


※同調査詳細レポート<2024.2|人的資本経営調査結果レポート>ダウンロードはこちら
 


【お問い合せ先】
日本経済新聞社 教育事業ユニット
電話:03-6256-2793(平日:10:00~17:00) メール:hrconsul@nex.nikkei.co.jp

株式会社ワークス・ジャパン 人的資本経営調査事務局
電話:03-5209-5012(平日:10:00~17:00) メール:research@worksjapan.co.jp