\セミナーを見逃してしまった方へ/
採用市場の早期化・長期化が進む中、初期接触時点における印象づけから、継続的な動機形成、最終的な入社志望へとつなげる“心を動かす”プロセス設計がかつてないほどに重視されています。
しかし、各採用プロセスで工夫を凝らしても、「学生の志望度が思うように高まらない」「選考までつながっても辞退に至ってしまう」——そのような課題に直面する採用担当者は少なくないでしょう。
そこで今回は、産経新聞社とワークス・ジャパンが共同で実施した「27卒学生が選ぶ 就職人気企業ランキング」にて上位にランクインした企業のうち、生命・損害保険業界1位の「損害保険ジャパン株式会社」、IT・ソフトウェア業界1位の「株式会社NTTデータグループ」をゲストにお招きして、【WORKS REVIEW】を実施。
多くの学生から支持を集める各社の「学生を惹きつける採用戦略とイベント設計の工夫」を伺いしました。
INDEX
◆26卒採用市場の振り返り調査(学生編)
【WORKS REVIEW 実施内容】
- 近年の学生動向
- 学生の志望度を高めるための情報設計や魅力づけの工夫
- インターンシップの概要・設計とその効果
- 各社の採用課題と今後の取り組み
損害保険ジャパンとNTTデータグループが登壇! この夏、学生の心を動かすには? 就職人気企業が実践する 魅力づけ戦略とイベント設計 詳しくはアーカイブ配信で!
◆26卒採用市場の振り返り調査(学生編)
ワークス・ジャパンが実施した「26卒採用市場の振り返り調査(学生編)」では、入社先を決定した理由を問う設問において、「接触した社員が魅力的だった」「自分のやりたい仕事ができる」と回答した学生が最多となりました。
特にコロナ禍以降、学生はインターンシップや少人数セミナーを通じて企業の“人”と出会い、自らのキャリアビジョンと照らし合わせて入社企業を選ぶ傾向が強まっています。

就活支援会社主催の企業説明会や少人数セミナーへの参加開始時期を問う設問では、「2024年4月~6月」と回答した学生が最多となり、大学3年生の夏休み前頃から採用イベントに参加し始める学生が多数を占める結果となりました。
また、大学主催の合同企業説明会も大学3年生の夏休み前に参加し始める学生が最も多く、夏インターンシップに向けて具体的な行動を起こす学生が多いことがわかります。

さらに、各社が開催するオープンカンパニーやインターンシップへの参加開始時期については、「2024年4月~8月」と回答した学生が最多となり、3年生に進級した直後から夏休みまでの期間にかけて何らかの就活イベントに参加し始めている様子が見て取れます。
なお、採用選考への参加時期については、夏インターンシップ参加後の9月から年明けの1月に集中しており、採用活動の早期化が一層進んでいる様子がうかがえます。

調査結果の詳細を確認したい方は、下記記事をご覧ください。
≫ 「26卒採用市場の振り返り調査(学生編)」
◆ WORKS REVIEW 実施内容
ワークス・ジャパンが実施した「26卒採用市場の振り返り調査(学生編)」では、企業の採用活動と学生の就職活動の早期化が一層進んでいる様子が見て取れました。さらにインターネットの普及にともない、学生の情報収集の在り方にも大きな変化が生じています。
企業には、早期化の動きに合わせた情報設計や正しい情報の発信がより一層求められるようになりつつありますが、その方法や効果に悩む採用担当者も多いかと思います。
そこで今回は、就職人気企業ランキングの上位にランクインした「損害保険ジャパン株式会社」「株式会社NTTデータグループ」をゲストにお招きし、WORKS REVIEWを実施。
学生の志望度を高める採用設計と施策、その効果についてうかがいました。
※出演者情報はセミナー開催時点(2025年7月31日)のものです。
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出演者
損害保険ジャパン株式会社
人事部 採用グループ
中溝 祥吾 氏
株式会社NTTデータグループ
人事本部 HR Management統括部
Talent Acquisition担当
村上 裕一 氏
データサイエンティストとしてAIを用いたお客様の課題解決に従事。
その経験を武器とし、コンサルタントとして情報活用を軸とした新たなお客様の業務の立案など、業種業界横断で活躍。
現在は新卒採用における採用戦略および広報戦略の立案を担当。
近年の学生動向
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損害保険ジャパン
中溝 -
学生が就職活動を開始する時期は年々早まっており、大学2年生、時には1年生が就活イベントに参加するケースも増えています。今の学生は幼い頃からインターネットを活用しているため、情報を収集する能力に長けていると感じます。
一方で、その情報が正しいかどうかを見極めることには課題があるように見受けられ、情報の正誤の分別ができていない学生も一定数見られます。
また、インターネットやSNSが普及した昨今においては、誤った情報もすぐに拡散するリスクがあります。そのため、当社としては正確な情報を適切な形で発信することを徹底して心がけています。
-
NTTデータグループ
村上 -
中溝さんと同じく、私も市場の早期化を感じており、実際に大学1年生や2年生も将来の就職活動に向けて既に行動に移している方が多いように思います。また、最近の学生は情報収集力に非常に長けており、SNSや生成AIを駆使し、効率的に情報を集めている点も特徴の一つだと感じています。
一方で、社員訪問を重ねて“自らの足で情報を稼ぐ”学生も増えている印象を受けます。面談などの際も「10人以上訪ねた」といった声がたびたび聞かれ、他の学生と差別化を図るために、それぞれが試行錯誤しているようです。
学生の志望度を高めるための情報設計や魅力づけの工夫
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NTTデータグループ
村上 -
当社では、学生の行動フェーズに応じて、コンテンツの形態や提供手段を最適化することを意識しています。例えば、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する学生には、移動時間などのスキマ時間でも視聴できるよう、短尺動画の配信や説明会のアーカイブ動画を用意し、自分のペースで企業理解を深められる環境を整えています。
まず当社について “広く浅く”理解してもらい、興味が深まった学生には社員訪問や個別対話でパーソナライズされた情報を提供できるようにしています 。
また、社員訪問のハードルを下げるため、オンライン・対面を問わず気軽に相談できる場を複数用意し、学生が主体的にNTTデータグループと接点を持てる仕組みを構築しています。
-
損害保険ジャパン
中溝 -
損保は“インフラのインフラ”と言われるほど社会と密接した業態ですが、実際の業務が伝わりにくい側面があります。そこで若手からベテランまでさまざまな社員と会える機会を用意し、仕事観やキャリアパスを多角的に伝えることで、学生が保険の本質や社会的意義を理解できる設計を意識しています。
また、キャリアステップをイメージしやすいよう、夏は若手社員、秋は中堅社員、最終選考前はベテラン社員と、
時期に応じて会える社員の層を段階的に変え、学生が“今欲しい情報”を得られるようにしています。
さらに、損害保険ジャパンでは採用をゴールと位置づけず、入社後に活躍し、長く働いてもらうことを重視しています。そのため、魅力ばかりを過剰に伝えるのではなく、業務のやりがいや社会的意義はもちろん、仕事の厳しさも含めて率直な情報提供に徹し、入社後のギャップを極力低減できるよう心がけています。
インターンシップの概要・設計とその効果
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損害保険ジャパン
中溝 -
損害保険ジャパンでは、参加のハードルを下げるために「3日間」と「2日間」のプログラムに分割したワークショップ型インターンシップを開催しています。
前半3日は業界理解や就活支援をメインとしたコンテンツを実施し、関心が高まり損保業界や当社についてさらに深く知りたいと思う学生には、後半2日で実践的な業務体験を提供します。このように、
参加ハードルを下げつつ、興味が深まった学生は長期間にわたり深く業界・企業を理解できる設計になっています。
対面開催は全国7都市で開催していますが、メタバース空間を活用したオンラインワークショップも用意し、地方在住の学生にも臨場感のある業務体験を提供できるようにしています。
オンライン特有のリアルさに欠ける課題については、インタラクティブな体験を設計し、ゲーム感覚で課題に取り組めるようにするなど、学生が飽きずに楽しみながら学べる工夫を凝らしています。
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NTTデータグループ
村上 -
NTTデータグループでは、「ワークショップ型」と「現場受け入れ型」の2軸でインターンシップを実施しています。
ワークショップ型は採用部門が主導で実施しているインターンシップであり、ロールプレイを通じて顧客ヒアリングから提案書作成までのプロセスを広く理解できます。
一方、現場受け入れ型インターンシップは、実際の現場に学生がメンバーの一員として参加するコンテンツであり、今年は約200テーマを用意し、1,000名ほどの学生を受け入れる予定です。
現場受け入れ型インターンシップの実施にあたっては、現場社員の協力が不可欠です。そのため、ただ採用部門から現場各部門にインターンシップの実施を依頼するのではなく、現場が高く評価した学生が入社すれば、その学生を求める部門に配属されるよう調整しています。
この仕組みがあることで、現場社員も“自分たちの仲間を探す”という当事者意識が醸成され、コンテンツ改善にも主体的に取り組むようになります。
各社の採用課題と今後の取り組み
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NTTデータグループ
村上 -
“なんとなくのイメージ”で当社を選ぶケースを減らし、入社前から覚悟を持ってもらえるよう、企業の本質を伝え、早期離職を防いでいきたいですね。
また、最近では、インターンシップにおいて「成長機会を提供したい」企業側と「選考の優遇が欲しい」学生側とで、求めるものにギャップが生じ始めていると感じることがあります。この認識のズレをどう埋めていくかも取り組むべき課題と捉えています。
当社では学生の成長機会を促すために、インターンシップではあえて学生扱いせず「プレ新入社員」として接します。自分の頭で考え、ゼロから答えを創り出す経験をしてもらうため、学生にとっては厳しく感じることもあるかもしれません。しかし、それが社会で働くことのリアルであり、本当の意味での成長につながると信じています。
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損害保険ジャパン
中溝 -
全国に拠点を展開する当社では、採用に苦戦する地域もあります。今後も、引き続きメタバースやオンライン施策を活用しながら、地域を超えた認知の強化と魅力の伝達に注力したいと考えています。
また、生成AIの台頭により、エントリーシートなどの内容だけでは学生の本質を見極めることが困難になりつつあります。SPIなども回答集が出回る中で、表面的な情報や数値に惑わされず、自社に本当にマッチする学生かを正確に見極めるには、やはり「人と人とのつながり」に尽きるのかなと。
より多くの社員に会ってもらう、面接でじっくりと対話する。そうした機会を増やし、数値やデータだけでは測れない学生一人ひとりの本質を丁寧に理解していくことが、より必要になってくるでしょう。
損害保険ジャパンとNTTデータグループが登壇! この夏、学生の心を動かすには? 就職人気企業が実践する 魅力づけ戦略とイベント設計 詳しくはアーカイブ配信で!
<その他、こんなこともお話しています!>
◆ 社員訪問に関するガイドライン策定の工夫
◆ 大学1年生・2年生向けのイベント実施について
◆ 就職人気企業ランキングにランクインした効果や影響
当日お話しいただいたWORKS REVIEWの動画をアーカイブで配信しています。
現状直面している課題や今後の展望など、新卒領域におけるジョブ型採用を推進するにあたって参考になる情報が発信されています!ぜひご視聴ください。
【アーカイブ配信対象】
収録日: 2025/7/31テーマ: 損害保険ジャパンとNTTデータグループが登壇! この夏、学生の心を動かすには? 就職人気企業が実践する 魅力づけ戦略とイベント設計
≫≫ アーカイブ視聴はこちらから
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2018年に損害保険ジャパン株式会社へ新卒入社。
初期配属では事故対応を行う保険金サービス部門を経験。
その後営業部門を2部署経験し現在の人事部へ配属。
人事部にて新卒採用~中途採用まで幅広く採用業務に従事しています。