採用活動

エージェントと共創する戦略人事 ─ 事業成長を支えるキャリア採用の最前線




\セミナーを見逃してしまった方へ/




「エージェント費の高騰にどう向き合うか」
「リファラルやアルムナイなど、自社主導の採用チャネルを強化したい」
「調整業務に追われ、人事本来の価値発揮が見えにくくなりがち」
——こうした課題感を抱く企業は少なくありません。

今回のWORKS REVIEWでは、異なる事業環境・業種にありながらも、共通して「事業部の戦略パートナーとしての人事」という姿勢を掲げ、キャリア採用の強化に取り組んでいる、株式会社IHIとBIPROGY株式会社をゲストに迎え、【WORKS REVIEW】を実施。

経営・事業部と連動した人事体制づくりについて、エージェントとの関係構築を中心に実践知を伺いました。



 INDEX 



キャリア採用 企業調査結果


キャリア採用に注力する理由と企業のターゲット

ワークス・ジャパンが実施した「キャリア採用企業調査」では、約7割の企業がキャリア採用の優先度を「高い」「やや高い」と回答しました。
労働人口減少による人材不足や事業変化の加速による即戦力・専門人材の需要が高まりなどからキャリア採用に力を入れる企業が増えていることが分かる結果となりました。


キャリア採用に注力する理由として、多くの企業が「組織の強化・活性化」を挙げており、単なる退職者の補充にとどまらず、中長期的な組織の競争力向上を目的としていることがわかります。
なお、採用ターゲットは、30代前半〜中盤が中心であるものの、30代後半〜40代前半の層も注力ターゲットとして捉えている企業が半数近くに達しました。


現状の課題・選考基準

課題としては、「ターゲット層からの応募が少ない」「応募者の質にばらつきがある」など、応募獲得段階における悩みが上位を占めました。

求める人物像が高度化するにともない、母集団形成の難易度が上昇し、従来の採用チャネルや訴求方法だけでは十分な成果を得られにくくなっている様子がうかがえます。

また、コミュニケーション能力と職務経歴を選考基準として重視する企業が9割近くにのぼり、即戦力として活躍し得る人材を採用したいという企業の意向が読み取れます。

加えて、「仕事に関する考え方」といったスタンスやパーパスとの合致を重視する傾向も見られ、スキル一致に加えて“価値観の整合性”も重視されています。


キャリア採用施策

現状取り入れている採用手法としては、転職エージェントが最多となりました。

今後新たに取り入れたい施策としては、「ダイレクトリクルーティング」や「社員紹介(リファラル)」が上位に位置し、エージェント依存からの脱却と採用チャネルの多様化を図る動きが強まっています。

一方で、求職者は、応募社数を少数に絞る傾向が見られ、「異業種×異職種」への“フルモデルチェンジ”志向も目立ちました。
本調査結果より、企業には「誰に・何を・どのチャネルで語るか」の精緻化が求められているといえるでしょう。


調査結果の詳細を確認したい方は、下記記事をご覧ください。
≫ 「2025年7月実施 キャリア採用企業調査」 




◆ WORKS REVIEW 実施内容


ワークス・ジャパンが実施した「キャリア採用企業調査」の結果からもわかる通り、多くの企業がキャリア採用においてエージェントを主要チャネルとしつつも、コストや依存度の高さに課題を感じています。しかし、事業成長を実現するためには、事業部が求める高い専門性を持つ人材を迅速に採用し続けなければなりません。

そこで今回は、事業部の戦略パートナーとしてキャリア採用を推進する「株式会社IHI」「BIPROGY株式会社」をゲストにお招きし、WORKS REVIEWを実施。

エージェントとの関係構築を軸に、経営・現場双方を支える戦略人事のあり方についてうかがいました。

※出演者情報はセミナー開催時点(2025年10月10日)のものです。



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出演者

安野 淳哉 氏

株式会社IHI
人事部 採用・人財開発グループ長

安野 淳哉 氏

1994年第一勧業銀行(現:みずほ銀行)入行、2019年11月サニーサイドアップグループ人事部長、2023年5月当社入社。
採用および人財開発の領域で自身も「変革人財」の一人として日々挑戦。
「自然と技術が調和する社会」というIHIのあるべき姿を実現するための戦略を描く。

樋口 隆俊 氏

BIPROGY株式会社
人的資本マネジメント部 人財採用室長

樋口 隆俊 氏

2006年に新日本製鐵株式會社(現:日本製鉄株式会社)に新卒入社、工場労務等を担当。
2008年に株式会社CSK(現・SCSK株式会社)にキャリア入社、人事制度設計・運用、要員計画、労働組合担当、事業会社人事、採用業務を経て、経営企画部にて中期経営計画・予算策定、経営会議事務局を担当。
2020年に日本ユニシス株式会社(現・BIPROGY株式会社)にキャリア入社、組織開発、オンボーディングプログラムの企画・運用業務を経て、2023年に人財採用室 キャリア採用課長、2024年から人財採用室長。

キャリア採用に注力する背景


IHI</br>安野 IHI
安野
IHIでは、「グループ経営方針2023」を軸に、中核事業から成長・育成事業へと経営資源のシフトを進めています。この方針を実現するため、社内だけでは補えない専門性や異なる視点を持つ「企業体制を変革し得る人材」を外部から獲得する必要性が高まりました。2023年からキャリア採用を強化し,2022年まで年間50名程度だったキャリア採用の数は、現在年間180名程度にまで増加しています。
従来の機械系中心の人材に加え、アンモニア、電動化、DX、化学など、これまでIHIのイメージにはなかったスキルや専門性を持つ人材の採用も積極的に進め、事業構造の転換を人材面から後押ししています。
BIPROGY</br>樋口 BIPROGY
樋口
当社は、従来のシステム開発・運用を主とする「コア領域」と、新しいIT技術を活用する「成長領域」の両輪で事業を推進しています。この両領域に経営リソースを適切に振り分け、事業強化を図ることを目的に、新卒×キャリアの両輪で採用力の増強に努めています。

キャリア採用では、特に事業経営や組織をけん引してくれる30代後半〜40代前半のミドル層、コア領域を支える即戦力人材、そして成長領域の拡充に取り組んでくれる挑戦者層の獲得に注力しています。

エージェント活用に向けた取り組み


IHI</br>安野 IHI
安野
当社の主な採用チャネルは、エージェント、ダイレクトスカウト、リファラル、直接応募、アルムナイの5つです。現状、エージェント経由が全体の7割を占めており、コスト面からもこの比率は下げていきたいと考えています。しかし、IHIの採用戦略を実現させるうえで、エージェントの活用は不可欠です。

エージェントを単に費用対効果だけで“削る”のではなく、「IHIのファン」になってもらい、「この候補者には、ぜひIHIで活躍してほしい」と思ってもらえる関係づくりが重要だと考えています。
また,求人部門と人事部門によるヒアリング(キックオフ)の場にエージェントの方にも同席いただき、私たちと同じ熱量で自分事のように求人の魅力や重要性を語ってもらえるまで解像度を高めていただく場を設けています。
BIPROGY</br>樋口 BIPROGY
樋口
当社は、エージェント経由の採用が全体の8割を占めています。
数年前まではエージェントフィーの高騰を課題視し、コスト軽減に注力していました。しかし現在は、主要の採用チャネルである事実は変わらないと捉え、「いかにエージェントと良好な関係を構築し、マッチングの『精度』を高めていくか」という考えに軸足を移しています。

具体的には、エージェントを「業者」ではなく、一緒に採用を推進する「パートナー」と位置づけ、月次で情報を共有する場を設けています。そこでは、個別の求人情報だけでなく、当社のキャリア採用における状況や課題、期待値までも共有しつつ、「どのような情報があれば、当社を最優先で推薦いただけるか」といった情報を引き出しながら関係性を深めています。

今後、強化したいポイントやチャレンジ


IHI</br>安野 IHI
安野
次の一手は、採用ブランディングの再設計です。
宇宙兄弟とのコラボ企画では、発信の翌日に18件の新規エントリーがあるなど、採用ブランディングによる手応えを感じました。ホームページは充実しつつありますが、SNSや外部導線を強化し、上流ファネルの活性化を図りたいと考えています。

さらに今後は、選考辞退者・内定辞退者やアルムナイをベースとするタレントプールの運用・拡充に加え,M&Aやフリーランスをはじめとする外部プロ人材の活用といった「採用(雇用)」という枠に閉じない「人材リソースの獲得」という広い視点で戦略を考えていく必要があると考えています。
各挑戦を実践に移すためにも、エージェントを「外部の視点を持つアドバイザー」として捉え、当社に対する第三者視点のフィードバックも積極的に取り入れながら人材リソースの獲得に取り組んでいきたいと思います。
BIPROGY</br>樋口 BIPROGY
樋口
エージェントとの関係については、単なる人材紹介業の域を超え、「御社の採用ホームページはここが弱い」「求人票を一緒に言語化しましょう」など、より付加価値の高い提案を引き出せるような、関係性を目指したいですね。

人事としてのチャレンジは、事業部門のパートナーになること。かつての人事部は、制度を運用したり、トラブル対応を担ったりする「おまわりさん」のような存在だったかもしれません。しかし、これからは、事業や現場への理解をより深め、現場で起きている課題を解決するパートナーへと成長していきたいと思います。

事業部の戦略パートナーとしての人事 ~事業成長を実現するエージェントとの関係構築~ ~ 詳しくはアーカイブ配信で!



<その他、こんなこともお話しています!>
◆ 増加するキャリア採用者に対するオンボーディング
◆ タレントプールの構築・運用
◆ 各社の人事部体制

当日お話しいただいたWORKS REVIEWの動画をアーカイブで配信しています。
他にも、明日からの採用活動に役立つ実践的なヒントが紹介されています!ぜひご視聴ください。


【アーカイブ配信対象】
 収録日: 2025/10/10
 テーマ: IHIとBIPROGYが登壇! 事業部の戦略パートナーとしての人事 ~事業成長を実現するエージェントとの関係構築~

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